国籍法要件と申請実務

在日コリアンとは?
『帰化後の氏名』について思うこと
〜在日コリアンの方々の帰化申請をお手伝いしていて〜
帰化申請について思うこと

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 私の事務所では、日頃より在日コリアン(在日韓国・朝鮮籍。特別永住者)の方々の帰化申請、韓国戸籍の整理・取寄せ・翻訳 といった仕事をさせて頂いております。
 日本で生まれ育った在日の方々のうちの多くが、日本への帰化を希望するのは当然のことです。政府もその辺りは当然、意識しているようで、2003年7月より特別永住者の方については帰化申請時の『帰化動機書』が提出不要になるなど、手続は簡易化に向かって進んでいるようです。事業経営者の方など、まだまだ人によっては手続は複雑ですが、こうした『簡易化』の流れは今後も進んでいくでしょうし、また、親(祖父母)の代から日本で生まれ育ち韓国語も全くわからない在日の方々の心中を思うと、もっと簡易化されるべき、いずれは国籍選択制になるべき とも思います(うちの仕事は減ってしまいますが…(- -;)。

 このように、時代が変わりつつある帰化申請をお手伝いしていて、最近特に注目しているのが、『帰化後の氏名』についてです。今だ、ほとんどの方々が、帰化後の氏名にはそれまで使って来た『通称名(日本名)』を選んでいるのが現状ですが、ごく稀に「『本国名(韓国名・朝鮮名)』を帰化後もそのまま使いたい」とおっしゃられる方もいらっしゃいます。私としては、個人的にそういう人がいると嬉しくなってしまいます。帰化されてもルーツがわかるような氏名を名乗ってもらえれば、長く単一民族(?)との誤解を持っていた日本社会の『多様性』を広げるためにも、いいと思うからです。
 完全に日本人に同化してしまうのではなく、『韓国系日本人』『中国系日本人』『インド系日本人』といった具合に名乗ってもらえれば、「日本は様々な人たちが集まって出来ている国なんだ」という意識が強まるはずです。(註:そもそも日本には、古代多くの渡来人が渡って来ており、特に朝鮮半島との関わりは深いです。いつのまにか「自分たちは単一民族」との誤解を持ってしまった日本人のことを、『世界一純粋な雑種(血統書付きの柴犬 というところか…)』という人もいるそうです)。私は以前アメリカ・カリフォルニア州に住んでいましたが、アメリカの活力の源はまさにこれ(いろいろな人種が集まっている)だと思います。以外と古代日本も、今よりダイナミックな社会だったのではないでしょうか…。これからの日本も、そうあって欲しい と思います。
 
 話を戻しますが、前述のとおり通称名を選ぶ方々の中には、「本当は韓国の民族名で通したいんだけど…」というお気持ちの方も多いようです。「帰化して日本人になるんだし、今更韓国名を名乗っても仕方ないんじゃない?」という方なら、それはそれでいいかと思います。でも、我慢して日本名にするのだとしたら…。
 多くの在日の方が、帰化する際に通称名(日本名)を使わなければ、「帰化の許可審査で不利になる」「法務局・法務省は、暗に日本名使用を強要している」とお考えのように思います。果たしてそうでしょうか…。
 昔の法務局に、偏見の強い人、「日本人なら日本名を使うべきだ」という考えの担当者が多かったのは、よく知っています。しかし最近は、随分変わって来ていますよ。もちろん今でも偏見の強いオヤジとかはいますが(こちらを参照)、はっきり言ってそういう人はもう、法務局の主流からは外れています。

 私は、法務局よりもむしろ日本社会の差別・偏見に原因があると思います。そして、申請者の方々の多くが、帰化後も韓国名を使うことの不利益を予想して、自分(や子ども)が引続き不利益を被るのを避けたい というお気持ちを持っているから かと思います。よくご相談頂くことに、「帰化後に本籍地を移転して帰化事項を消したいのだが…」とか、「それでも親の氏名が韓国名だからわかってしまう。どうしたらいいか…」とか、そういう内容のものもあります。
 私はといえば、「その方が特徴があっていいじゃないですか…(^^)」などとうっかり応えてしまいそうになるのですが、長く差別を受けて来た1世、2世の方々には、トラウマのようになっている方もいらっしゃるようで、あまり軽いことは言えません。でも私など、アメリカで『韓国系アメリカ人』のたくましさを沢山見て来てるので、その方がホントかっこいい と思うのですが…(^^;。

 「帰化するなら、名前もそれらしくしないと…」
こんなことを考えず、堂々と『韓国系日本人です』『中国系日本人です』と名乗れる日本に、早くなって欲しい… 今はこれしか言えません。
 

【註】当事務所では、愛知県を中心に東海地区にて帰化申請手続・渉外戸籍整理手続、韓国戸籍他 外国証明書類の翻訳等を行っております。 尚、帰化申請手続においては 責任をもってサポートしたいため、現在 愛知県、岐阜県、三重県内の方々に限らせて頂いております。郵送や電話、メールのみでのお仕事は、致しておりませんのでご了承ください。
 遠方・他府県の申請希望者の方々には、各地の経験ある帰化申請対応行政書士事務所をご紹介しております。紹介マージンを取ろう などというセコイ考えは持っておりませんので、お気軽にお問合せください(その代わり、「大至急紹介して!」というのもご勘弁下さい)。
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